読書記録 – 人生の経営戦略

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山口周氏が執筆した「人生の経営戦略」について紹介します。

はじめに

本書は経営戦略で使われるストラテジーを人生というプロジェクトにどのように活用していくかについて書かれた本です。読んでみて非常にためになる話がいっぱいでてきたので、特に印象的だった内容についてポイント絞って紹介したいと思います。

人生の目的

人生の目的は何でしょうか? これは人それぞれ個人によって異なると思いますが、本書では

持続的なウェルビーイングの状態を築くこと

としています。

ウェルビーイングとは、心身と社会のあらゆる側面が満たされている、すなわち幸福な状態を示す言葉ですが、ポイントは「持続的な」というところにあります。今だければ幸せであればよくても仕方有りませんし、また逆に死ぬ前に幸せになってみ意味がないですからね。

生きている間全ての期間においてウェルビーイングを満たすことが人生の目的であると本書では述べています。

人生における資本

本書では人生には4つの資本があると言っています。

それは時間資本、人的資本、社会資本、金融資本の4つです。

人は誰しも(大金持ちに生まれた人は除いて)最初は時間資本しか持っていません。

時間資本とは自分の時間なのですが、時間資本を「筋のよい仕事」に費やすことにより、知識・経験・スキルが身につき、人的資本を手に入れます。

人的資本が獲得され、アウトプットやパフォーマンスが生み出されると仕事に依頼が来るようになりこれが社会資本となっていきます。

ここで重要なのは必ず時間資本 -> 人的資本 -> 社会資本の流れになるという部分です。

時間資本から 社会資本になることはありえないということです。

本書では「異業種交流会の不毛」という言葉で表現していますが、これは「人脈(社会資本)が大事だ」という言葉を真に受け、人的資本が不十分なうちに異業種交流会に参加しても何も得ることがないといっています。

これは私も経験があります。異業種交流会に若い頃参加したことがありますが、自分が何も提供できない時にいっても何も生まれないと落胆しました。

そして社会資本を得られた結果として、金融資本を手に入れられます。

本書では、ここでも同じように人的資本から直接金融資本には繋がらないと記載されています。

私としては、やりようによっては(株式投資など)人的資本から金融資本を手に入れることもできなくもないのではと思ったりしますが、それはレアケースということなのでしょう。

そして人的資本、社会資本、金融資本がウェルビーイングにつながっています。

本書にも記載がありますが、図で示すと以下のようになります。

「人生の経営戦略」図1-1を参考に作成

時間資本から時間資本、金融資本には直接つながっていません。

一方でウェルビーイングには、人的資本/社会資本/金融資本のすべてが繋がっています。

その他

他にも面白いトピックが多くありますので、是非手にとって読んでいただきたいです。

創造性理論

成功するためには多くのアウトプットが必要となる。成功したから多くを生み出したのではなく、多くを生み出したから成功するのである。ダビィンチ、ニュートン、エジソンなど歴史上の人物も皆同じである。

内発的動機付け

本当にパフォーマンスを上げたいのであれば楽しむことが大事。才能よりの長く続けられることを重視する。

バーベル理論

安定的だけど大化けするリスクのない仕事と不安定だけど大化けするリスクのある仕事をもつ。

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